川原 正隆 氏

キーノートセッション2
 株式会社ニューキャスト 代表取締役 川原 正隆 氏

 データベースを用いた自動組版など、顧客への提案活動に積極的に取り組まれている川原氏。「印刷業界の方が多いと思いますが、価格の問題、生産性、業界はこの先どうなっていくのかという不安を抱えていらっしゃると思います。iPadの登場など、印刷物はこの先どうなっていくのか…」というところから始まり、「テクニカルDTP」についてお話しいただきました。

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<制作という仕事について>
● 制作というのは「すごい技」

 書く人=情報を提供する側と読む人=情報を得る側がいる。制作は単純にこの二つをつなぐ仕事で、どちらにも偏ってはいけないと思っています。偏ったものは良い制作物とは言えません。そう考えると印刷物もWebも、やりすぎではないかと思います。DTPの現場では非効率だと感じることが多く、その部分を諦めがちではないでしょうか。制作とは、デザインや組版をしながら、コンテンツを解析しているということです。難解なデータを解析しながら紙面に落とし込むという「すごい技」なのです。これはもっと認知を上げていく必要があることなのです。

<テクニカルDTPについて>
● 上下関係のないチーム

 重要なキーワードは『チームづくり』です。DTPは、ついつい一人の作業になりがちですが、そもそも分業されていた、すごい作業が詰め込まれています。文字の入力もあれば、色々なソフトも使いこなせなければなりません。テクニカルDTPのチームには、デザイナー、DTPオペレーター、プログラマーが必要です。重要なのはそれぞれの連携。だれかが主体になるのではなく、それぞれの役割を認識、意識し、その役割を知ることです。進め方のルールは、上下関係を作らないこと。チーム内では、伝えること、聞きに行くこと、そして空気を読むことが重要です。

● チームで行うDTPがテクニカルDTP

 制作物はページものが多く、InDesignで制作します。数百ページあるものが、何回かに分けて入稿されます。最初の20ページ程度で、まず設計します。スクリプトで半自動化しますが、色々な問題が出てきます。入稿の度にチームのみんなで一緒に改善を図ります。データベースを先に作るのは大変なことで、うまくはいきません。InDesignで作ったものをデータ解析し、データベースへ落とし込む。それをメンテナンスしたものをまたデータベースへ落とし込む…というように行います。決して敷居の高いものではありません。チームで対処することで、次の案件に活かされる等、生産性の向上にもつながります。DTPは一人の作業ではなく、テクニカルDTPというチームで行うDTPを取り入れていってほしいと思います。

<まとめ>

 最後に、印刷業界は良くない傾向にあります。その印刷の価格競争に制作費がひっぱられてはいけないと思います。制作とは、難しいものを解析し、コンテンツにするということです。一人ひとりではなく、チームをつくり、制作を盛り上げていきましょう。そうでなければ、どれだけ良いソフトがあっても、どれだけ良い機械があっても無駄になってしまう。現場でやっていることをもっと表に出し、あきらめずにやっていきたいと思います。

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