[Adobe スペシャルティップス3: InDesign 編]

 有限会社ザッツの代表であり、Webサイト“InDesign の勉強部屋”を運営されている森 裕司氏を講師に迎え、InDesign の“ちょっと便利な小技”・“一歩進んだスタイル活用法”・“Script で作業を快適に”・“ライブプリフライト”・“FLASH 書き出し”の5つのテーマで解説していただきました。

■ちょっと便利な小技

●フレームを内容に合わせる
 通常は画像を編集する際に使われるコマンドですが、テキストフレームにも使えます。
●選択範囲内へペースト
 このコマンドは選択しているオブジェクトに対し、あらかじめコピーしておいたオブジェクトをペーストできる機能で、例えば、「A」と言うテキストフレームをコピーしたのち、円のオブジェクトを選択し、編集メニューの“選択範囲内へペースト”コマンドを選択すれば円の中心に「A」がペーストされます。さらに、このフレームをコピーして別フレームにペーストすることもできます。
 InDesignでは本来、角丸の表は作れないのですが、この機能を応用して表組みのフレームをコピーし、表組と同サイズの角丸のフレームにペーストすることで角丸の表が作成できます。もちろん、表内のテキストや数値を変更することも可能です。

■一歩進んだスタイル活用法

 CS2から追加された“先頭文字スタイル”機能とCS4で新たに搭載された“正規表現スタイル”機能について解説されました。

 “先頭文字スタイル”は、インタビュー記事などで発言者の名前を自動的に一括して指定した文字スタイルに変換してくれるもの。文字通り文章の先頭(書き出し)部分に文字スタイルを割り当てるものですが、文章の途中にある文字(例えば、カギカッコでくくられた文字列など)にも特定の文字スタイルを割り当てることができます。

 “正規表現スタイル”も“先頭文字スタイル”と同じような働きをしますが、“正規表現”とは文字列のパターンを表現する表記法のことで、文字列の検索・置換を行う際に利用されます。例えば、文書内にあるURLはすべて斜体文字に置き換えたいと言うケースや、和文と欧文が混在したテキストで和文だけを文字詰めしたいときなどにも応用できます。正規表現については、下記のサイトでも分かりやすく解説されているので参考にしてください。
http://d.hatena.ne.jp/seuzo/20081222/1229872595

 また、線の塗りや太さ、色、ドロップシャドウなどの効果などをスタイルとして保存して、ワンクリックでオブジェクトに適用できる“オブジェクトスタイル”と言う、便利な機能もあります。“スタイル”を活用すれば作業効率も一段と高まります。

■Script で作業を快適に

 InDesignも6世代目と言うことで、インターネット上には便利なスクリプトが無料で多数公開されていますが、それらの中から作業効率アップに役立つ二つのスクリプトが紹介されました。

 一つめはテキスト内の“縦中横”処理に関するもので、縦書きのテキスト内に10、200、2009などの数字があった場合、“縦中横”処理し、さらに字形パネルで“等幅半角字形”や“等幅三分字形”などを指定して調整しなければなりませんでした。しかし、今回紹介されたスクリプトを利用すれば一括で処理できるので、作業時間と手間を大幅に削減できます。

 二つ目は文字列に“囲み罫”をつけるスクリプト。テキスト内の任意の文字列に、線幅や色、文字との間隔など細かく指定して“囲み罫”がつけられます。文字列が2行にまたがるようなケースでも問題ありません。

 今回は時間の関係で二つだけの紹介でしたが、“InDesignの勉強部屋”のリンクページにも、このようなスクリプトが紹介されているサイトがリンクされているので、目的に合ったスクリプトをチョイスして仕事に役立ててください。

■ライブプリフライト

 CS4からは制作しているドキュメントの内容に何らかのエラーがあった場合、画面左下に赤丸がつき、エラーの数がライブで表示されます。エラーの数をダブルクリックすると“プリフライトパネル”が立ち上がり、問題箇所と問題内容が確認できます。問題個所をダブルクリックすると、ドキュメント上のその個所に移動するので、適切な処理をして問題を解決します。全ての問題を解決してエラーがなくなると、赤丸がグリーンに変わり“エラーなし” と表示されます。

 ただし初期設定のままだと、不明および変更済みのリンク、テキストのオーバーフロー、環境にないフォントの3項目しかチェックされないので“プロファイルの定義”でデータの制作目的や環境に合わせてチェック項目をカスタマイズする必要があります。また、プリフライトは読み込みや書き出しもできるので、印刷会社さんからプリフライトをもらって、それで出力に問題がないかチェックするといった利用法もあり、現在すでにWeb上で自社のプリフライトをダウンロードできるようにしている印刷会社さんもあります。

■FLASH 書き出し

 CS4からWebとの連携も強化され“FLASH”への書き出しも可能になりました。ファイルメニューから“書き出し...”を選択し、“SWF(スイフ)”フォーマットを選んで保存すると書き出しダイアログが現れ、細かな設定が行えます。

 また“XFL”フォーマットへの書き出しもできるようになり、FLASH CS4での編集も可能になりました。

紹介した機能だけでなく、様々な進化が見られるInDesign CS4、より使いやすいツールとして完成されてきた。皆さんも様々ある機能を使いながら効率的な作業を実現してください。そんなアドバイスにてセッションは終了した。

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