■4/24 大阪:ブリーゼプラザ

 [キーノートセッション]

 大阪会場のオープニングキーノートセッションは、ブランドコミュニケーションの第一人者である株式会社HAKUHODO DESIGN の永井一史氏から「ブランドの伝え方」と言うテーマで、氏が手がけられた商品や企業の広告を例に挙げながら、分かりやすくお話していただきました。

 「今、メディアは多様化しており、従来のテレビ中心としたマスだけでは、なかなか人の心に伝わりにくくなった。そんな中、新しいコミュニケーション法を模索しながらも、メディア論ありきのアプローチはしないで、あくまで企業や商品のど真ん中のブランドを各メディアでいかに伝えるかを中心に行っている」
 「1960年代後半~70年代初頭ぐらいのキャンペーンにも、いろんなメディアを横断して行くような考え方はあったと思うが、例えばテレビCM にタレントを使えば、新聞などグラフィックでもそのCMの1カットを切り取って同じような写真を使い、店頭のディスプレイも同様と言った、全ての媒体でビジュアルを統合すると言うのが、その当時のキャンペーンの発想だった。しかし最近は、メディアの進歩により変わって来ている。それぞれのメディアには、それぞれのメディアを伝える特性がある。なので必ずしも全く同じビジュアル、全く同じキャッチフレーズで全てのメディアを統合すれば成功するとはかぎらないと思う」
 「一般的に広告は一方的に伝えたものが人の気持ちに刺さると言うイメージだが、それだけだと瞬間的には記憶に残るが、心を動かしたり、本当にその商品を好きになる気持ちは生まれてこない。商品と人の間にある、なにかモヤモヤしたようなものを作っていく、商品と人との関係をデザインすることがブランディングという仕事だと思っている」
 「私の仕事のやり方は、デザインの概念がいろんな領域に広がったときに、できれば川上の方から仕事に関わりたいと思っている。戦略の部分から入って、どんどん下に降りていく、例えば商品の開発や考え方(垂直方向)から関わり、出来たもの自体をPR・広告・店頭・Web と言った水平方向に展開していく…、垂直と水平の両方向に深く関わって行きたいと思いながら仕事をしている」と語られ、それらを意識した仕事例を紹介していただきました。

4/24 大阪:ブリーゼプラザ[キーノートセッション]

『SUNTORY 伊右衛門』

 「2004 年の発売以来、“豊かなお茶の楽しみを…”をキーワードにブランドの志を継続して持ち続けている。お茶は、人とのコミュニケーションに役立ったり、気持ちに安らぎを与えてくれる。さらには、お茶にまつわる文化や四季を味わう気持ちをわかりやすく伝えていくのが、伊右衛門の大きな提案。言い換えると、日本的スローライフの提案となるかもしれない」

■テレビCM
 春夏秋冬、都会で忘れがちな四季の変化や日本的な情緒を映像や音楽で意識し、伊右衛門という日本茶を通して伝えていけたらと思い作った。

■ポスター
 ひっそりとした感じが伊右衛門のトーン&マナー。のれんのポスターはメディアの広がりの中、伊右衛門夫婦のビジュアルとは別にキーとなるものが必要だと言うことで、200 年歴史を持つ老舗の京都 福寿園とサントリーのコラボの象徴としてのワンビジュアルを“ のれん” で表現。現在まで継続して使っている。

■お正月ポスター
 飲料は冬場はあまり広告を打たないのが常識だった。年間通じ日本を特に意識するのは「正月」と思い、初詣Best10の神社最寄り駅に貼ったもの。

■中吊り広告
 のれんを巧み使う。めくったところに猫がいたり、布をつかったり、車中で季節を感じてもらえるような展開。

■新聞広告
 紙面全段を使った細長い特殊スペースを使用。かなり目立つ広告となった。当初は紙面のセンターに持って行きたかったが断念。

■ Web
 キャンペーンの受け皿として、深い情報を知りたい人向け。

■成田空港JAL 国際線出口付近の媒体
 日本に帰って来た人々や海外からのお客様に、メジャーブランドとして一番に日本を感じてもらうために作った。媒体のないところに提案し実現させ、四季を表現した。
 その他、おまけ缶や手ぬぐい、屋外メディア、駅内のコンビニを伊右衛門一色にラッピングした例などが紹介されました。
 「それぞれの場所・時期で表現は異なり、伊右衛門ブランドに触れあった人が体験の積み重ねの中で、伊右衛門が伝えたい全体像が伝わることを意識して表現した。一つ一つが、それぞれのメディアの中で役割を果たしていると思う」

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